未踏デバイス試作共用ライン(Communal Fabrication Line for Outstanding Modern Devices; COLOMODE; コロモデ)は、シリコン量子ビット素子を含む多様な半導体電子デバイスを研究開発するための共用試作ラインです。4インチウエハでの試作が可能な設備群で構成されており、アジャイル&フレキシブルな試作研究開発を短いプロセス所要時間で実施できます。
産総研スーパークリーンルーム(300mmウエハ対応ライン)で行うような量産品質グレードでの試作研究開発を実施する前に、個々の研究者が生み出すアイディアを短期間に精度良く試作検証できる場となることを志しています。
2022年4月より、所内共用施設として供用を開始、産総研との共同研究の下で外部機関の皆様にもご利用頂けます。
令和2年度補正予算「重点産業技術に関わるオープンイノベーション拠点整備(次世代コンピューティング、マテリアル)」により、半導体ベースの次世代コンピューティングデバイスの試作機能を有する研究開発拠点整備の一環として、COLOMODEが整備されました。
茨城県の旧国名は常陸国です。和歌における常陸国の枕詞である「衣袖(ころもで)」からその名をとりました。「衣袖」という枕詞は、茨城県地域が常陸国と呼ばれるようになった伝承に由来しており、伝承の舞台となったのはここ筑波山地域であったことが、常陸国風土記に述べられています。古くは万葉集に詠まれている和歌にも用いられている言葉です。
常陸国風土記「筑波岳に黒雲かかり、衣袖漬(ころもでひたち)の国というはこれなり」 Wikipedia「常陸国風土記」より
万葉集 高橋虫麻呂・長歌「衣手 常陸の国の 二(ふた)並ぶ 筑波の山を 見まく欲り 君来ませりと・・・・」
管理担当ユニット:
デバイス技術研究部門(エレクトロニクス・製造領域)
管理責任者:昌原明植 研究部門長
リーダー:
森貴洋(デバイス技術研究部門 新原理デバイス研究グループ 上級主任研究員)
現時点ではシリコンデバイスのみを試作可能です。将来的には他材料へも拡張可能な装置群を揃えておりますので、ご要望に応じて拡張を検討して参ります。ご要望がありましたら、COLOMODEヘッドクォーターまでご相談ください。
ロット単位での試作をお受けいたします。1ロットあたりのウエハ枚数は1~25枚です。単体装置の時間貸しは行っておりません。単一装置のご利用の場合でも、ロットとして受付いたします。
4インチシリコンウエハ・SOIウエハ
※ 他材料ウエハの受け入れは随時検討して参ります。ご要望をお寄せください。
※ 多くの装置は2インチおよび20mm角クーポンにも対応しておりますが、プロセスが安定するまでは4インチに限定させていただきます。今後検討して参りますので、しばらくお待ちください。
標準ウエハ形状:JEITA規格 ※ SEMI規格も利用可能ですが、装置はJEITA規格でティーチングしております。
金属汚染:5×1010/cm2以下 ※ 箱だしスペックにて
パーティクル:0.2μm 30個以下 ※ 箱だしスペックにて
他のスペックについては、特殊だと思われる場合(べべリングされていないなど)はご相談ください。
金属汚染・パーティクルについては、COLOMODEでの洗浄も含めてご相談承ります。
現時点では4グレードに分類しての汚染管理を検討しております。詳細が確定しましたらお知らせいたします。
※ 汚染管理とは:シリコンは反応性の大変高い材料であるため、金属汚染で著しく品質が劣化するという弱点があります。そのため、汚染を管理した工程でデバイスを製造する必要があります。反応性の高さはドーピングが容易であることなど、産業の米たる半導体材料としての優位性ももたらすものですが、このような裏返しの弱点があります。
他のクリーンルームとのクロスランについては、都度ご相談ください。汚染検査等の可能性チェックを行い、その上で他CRの装置ごとに許可を付与いたします。
装置番号 | 装置名 | 装置型番 |
---|---|---|
COL001 | ゲート金属スパッタ | キャノンアネルバ製 EC7001 ※COL002と同一装置 |
COL002 | 配線金属スパッタ | キャノンアネルバ製 EC7001 ※COL001と同一装置 |
COL003 | プラズマポリシリコンCVD | サムコ製 PD-2201LC |
COL004 | プラズマ絶縁膜CVD | サムコ製 PD-2201LC |
COL005 | 半導体絶縁膜RIE | サムコ製 RIE-400iPCS |
COL006 | 金属RIE | サムコ製 RIE-230LC |
COL007 | アッシング | キャノンマーケティングジャパン製 MAS-8220AT ※COL008と同一装置 |
COL008 | 等方性ドライエッチング | キャノンマーケティングジャパン製 MAS-8220AT ※COL007と同一装置 |
COL009 | 原子層堆積装置(ALD) | Picosun製 MorpherT |
COL010 | 自動ウェット洗浄装置 | MTK製 CL43D105 |
COL011 | 横型炉上段(酸化) | 光洋サーモシステム製 280A-M300 ※COL0012/13と同一装置 |
COL012 | 横型炉中段(拡散) | 光洋サーモシステム製 280A-M300 ※COL0011/13と同一装置 |
COL013 | 横型炉下段(水素) | 光洋サーモシステム製 280A-M300 ※COL0011/12と同一装置 |
COL014 | Poly-Si熱CVD | 光洋サーモシステム製 VF-3000LP |
COL015 | SiN熱CVD | 光洋サーモシステム製 VF-3000LP |
COL016 | 急速熱処理装置(RTA) | 光洋サーモシステム製 RLA-3104-V |
COL017 | 電子線描画装置 | エリオニクス製 ELS-BODEN-AT4802 |
COL018 | コーターデベロッパー | リソテックジャパン製 LITHOTRAC Dual-1000 |
COL019 | マスクレス露光装置 | ナノシステムソリューションズ製 DL-1000HPA1R2 |
COL020 | エピタキシャル成長装置 | エア・ウォーター・プラントエンジニアリング製 VCE-S2204ST |
COL021 | フラッシュランプアニール装置 | Dresden Thin Film Technology製 FLA-100A |
COL分析 | 走査型電子顕微鏡 | 日立ハイテク製 Regulus8230(EDXあり) |
COL分析 | 全反射蛍光X線分析装置 | リガク製 TXRF3760/SP1 |
COL分析 | 分光エリプソメーター | ジェー・エー・ウーラム・ジャパン製 alpha-SE-AMT |
2022年度は、産総研との共同研究契約の下でのご利用となります。