Unit detailsBio-Application Materials Research Group
バイオ応用材料研究グループ
先端材料技術でwell-beingの向上や健康長寿社会の実現に貢献
有機・無機材料(ナノ粒子・薄膜等)の合成・構造制御・複合化技術や、センシング素子の合成・固定化技術を駆使して、健康増進や治癒促進のためのバイオアダプティブ材料やバイオセンサの開発を推進しています。

研究テーマ
Research Theme
健康増進や治癒促進のためのバイオアダプティブ材料の開発
少子高齢化が急速に進む我が国においては、高齢者を含む国民の健康維持・増進、健康寿命延伸が大きな課題となっています。当グループでは、大学歯学部・医学部とも協力して、機能性物質を担持したリン酸カルシウムナノ粒子・薄膜(次テーマ参照)をはじめとした様々なバイオアダプティブ材料(生体環境に適応して機能を発揮する材料)の開発研究を進めています。特に、歯の健康維持・治療、がんの早期診断・治療に資する材料技術開発に力を入れ、well-beingの向上や健康長寿社会の実現に貢献することを目指しています。

機能性リン酸カルシウムナノ粒子・薄膜の合成技術開発
アパタイトをはじめとするリン酸カルシウムは、生体親和性に優れる安全な素材です。過飽和溶液法では、様々な機能性物質(生理活性タンパク質、薬剤、イメージング剤など)を担持したリン酸カルシウムナノ粒子・薄膜を合成できますが、構造・組成制御が困難である、複雑・長時間の工程が必要などの課題がありました。当グループでは、過飽和溶液法に分子技術やレーザー技術を組み合わせることで、これらの課題を解決してきました。得られたナノ粒子・薄膜は、機能性物質の特性に応じて多彩なバイオ機能を発揮できることから、医薬品・医療機器・バイオ試薬・医薬部外品などへの応用が期待されます。

極微量バイオマーカー検出のためのナノ粒子の形態制御技術の開発
ナノ粒子はその高い反応性から、センサに搭載することで検出感度を向上できると期待されます。しかし、ナノ粒子の構造不安定さや易凝集性などが機能向上の妨げになっています。そこで当グループでは、ナノ粒子の形態制御技術により、これらの課題の解決に取り組んでいます。例えば酸化ニオブナノ粒子の形態をウニ状に制御することで、高い反応性と構造安定性、分散性を実現し、極微量のバイオマーカーの検出を可能にしました。高機能なバイオセンサを開発し、非侵襲なウェアラブル健康モニタリングデバイスとしての社会実装を図ることで、健康寿命の延伸に貢献することを目指しています。

糖鎖工学に基づく迅速な病原体検出のための高機能センシング材料の開発
病原性ウイルスや細菌の検出には、これまで抗体や遺伝子が用いられてきました。しかし、特異性や感度が低く、検出に長時間を要するため、現場での迅速な判定には課題がありました。当グループでは、病原体の感染において細胞表層糖鎖が共通の認識素子であることを応用して、簡便かつ迅速に病原体を検知できるセンシング材料の開発に取り組んでいます。新興感染症に対応するため、現場で使える検知技術の実現を目指しています。

グループ員
Group Member
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研究グループ長
中村 真紀
Maki NAKAMURA
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主任研究員
丁 武孝
Wuxiao DING
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主任研究員
渕上 輝顕
Teruaki FUCHIGAMI
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研究員
猪瀬 智也
Tomoya INOSE
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研究員
大沼 恵里香
Erika ONUMA
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研究部門付き
総括研究主幹大矢根 綾子
Ayako OYANE