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膵がんの早期発見や病期判定につながるバイオマーカーを探索

木田 泰之研究グループ長,赤木 祐香研究員、森 宣仁研究員らは筑波大学小田 竜也教授,宮崎 貴寛講師と共同で,膵がんの早期発見や病期判定につながる特異的な代謝物を多数同定した. 膵がんに代表される固形がんでは,様々な細胞群が相互作用する反応場=がん微小環境(Tumor Microenvironment : TME)が薬剤耐性,免疫抑制に関わり,腫瘍の増生やがん治療の成否を決める.しかし,既存の研究には,TMEを構成するがん細胞とがん間質(ストローマ)の相互作用に配慮した実験モデルが存在しなかった.そこで,当研究グループでは,がんと間質の相互作用を簡便にアッセイできる『in vitro共培養システム』や,臨床膵がんの特質である間質バリアを再現する『ストローマリッチCDXマウスモデル』を開発し,網羅的な遺伝子発現解析やシングルセル解析を用いたTMEの本態解明と新たな鍵分子の同定を進めてきた(Miyazaki et al. Febs.Open.Bio.2020 , Miyazaki et al. Scientific Reports 2021). 今回,包括的代謝プロファイリング解析であるCE-TOFMSにて,がん間質細胞に起こる代謝変換(メタボリック・リプログラミング)を明らかにし,さらに特異的な代謝物を多数特定することができた.難治性固形がんのがん間質細胞はがん細胞と異なりゲノム変異を有しないことから,バイオマーカーや治療ターゲットとしての普遍性を有する可能性がある.今後,特定したバイオマーカーの詳細な動態解析によって膵がんの早期発見や病期判定が可能になると期待できる.なお,この成果の詳細は、2022年3月8日にCancersに掲載された。

投稿論文
論文タイトル:Potential Metabolite Markers for Pancreatic Cancer Identified by Metabolomic Analysis of Induced Cancer-Associated Fibroblasts

著者:Yoshihiro Miyazaki , Nobuhito Mori, Yuka Akagi, Tatsuya Oda and Yasuyuki S. Kida

DOI: 10.3390/cancers14061375

共同研究機関
国立大学法人 筑波大学

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