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Glycan-seq法による腸内微生物叢の糖鎖プロファイリング

腸内微生物叢は、健康や疾患の発症において重要な役割を担っている。微生物表面の糖鎖は宿主とのクロストークの鍵を握る分子であり、微生物の共生、寛容、排除と密接な関係があると考えられる。しかしこれまで微生物叢の糖鎖を網羅的に解析する技術がなかった。最近、多細胞システム制御研究グループはDNAバーコード標識レクチンと次世代シーケンサーを用いることで細胞表層糖鎖を高感度にプロファイリングするGlycan-seq法の開発に成功した(https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2021/pr20210727/pr20210727.html)。
そこで本研究において、多細胞システム制御研究グループのラルハバ・オイナム(ポスドク)、箕嶋文(テクカルスタッフ、当時)、舘野浩章(研究グループ長)は、Glycan-seq法を用いて腸内微生物叢の糖鎖をプロファイリングする技術を開発した。Glycan-seq法を用いて仔マウスと成体マウスの糞便由来の微生物叢の糖鎖プロファイリングを行ったところ、仔マウスと成体マウス由来微生物叢の糖鎖プロファイルが異なることがわかった。 α2-6シアル酸結合性レクチンは仔マウス由来微生物叢に反応したものの、成体マウス由来微生物叢には反応しなかった。レクチン沈降と16S rRNAシークエンスにより、Lactobacillaceae, Lachnospiraceae, Enterobacteriaceae, Muribaculaceaeがα2-6シアル酸で修飾されていることを見出した。 すなわちα2-6シアル酸化されたこれら微生物は仔マウスにのみ存在していた。微生物糖鎖は微生物の定着や共生と密接な関係があるのかもしれない。今後、標的微生物の選別や除去への微生物糖鎖の応用を進めていく予定である。

本研究はAMED革新的先端研究開発支援事業の支援を受けて実施した。

Glycan-seq法による腸内微生物叢の糖鎖プロファイリング

投稿論文
論文タイトル:Glycan profiling of the gut microbiota by Glycan-seq

著者:ラルハバ・オイナム、箕嶋文、舘野 浩章

雑誌: ISME Communications 2022 Jan 5.

DOI: 10.1038/s43705-021-00084-2

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