計算化学シミュレーションを利用した技術支援の検討

事例No.

YS-0015

概要

MOPACやGAMESSなどの計算化学ソフトを汎用のノートパソコンで使用し、赤外吸収スペクトルや紫外可視吸収スペクトルの推算を行った。精度と計算時間を評価し、開放機器などの技術支援で利用できるか検討した。計算化学を利用した支援事例として、新規排水処理剤による水溶性有機化合物の分解挙動について紹介する。

お困りごと・要望

新規排水処理剤による水溶性有機化合物(NMP)の濃度が、分解直後に上昇する現象がみられる。

事例提供機関

サンプル

排水中のNMPの濃度

分析方法

排水中のNMPの濃度は、紫外可視分光光度計で測定した。濁り成分(800nm)を引いた210nm付近の値をNMPのピークとした。分解直後のUV吸収の増加は、NMPの分解物のUVスペクトルを計算化学によって推算し、原因となっている化学種を推定した。

分析結果

NMPの分解反応と計算化学の推算から、UV吸収の増加は、NMPが酸化されたN-メチルスクシンイミドであると推定された。

関連装置

紫外・可視分光光度計(材料系)UV-2550(株)島津製作所製
計算化学ソフト Winmostar V6 (株)クロスアビリティ

コメント

計算条件等は、山口県産業技術センター研究報告に「計算化学シミュレーションの技術支援への活用検討」というタイトルで掲載予定

適用可能な材料

色素の設計、分解物の推定

分析事例討論会

R6年度 分析事例討論会