計算化学シミュレーション環境と接着剤硬化性評価への利用

事例No.

YS-0005

概要

接着剤の硬化の前後の構造について、計算化学的手法を用いて振動解析を行い、実測の赤外吸収スペクトルを比較した。特定の波数に着目することで硬化状態の評価を行うことが可能となった。

お困りごと・要望

接着剤の硬化状態の評価は、実際に接着剤を指で触ってみて判断している。ガラスに挟まれた接着剤の硬化具合を評価したいが、直接触ることができず困っている。

事例提供機関

(地独)山口県産業技術センター
環境技術グループ岩田在博

研究者・グループ名鑑

事例に関するお問い合せ

サンプル

ガラスに挟まれた接着剤

分析方法

MOAPCプログラムを使って接着剤の分子モデルの構造最適化と振動解析(赤外吸収スペクトルの推算)を実施した。

分析結果

推算した赤外吸収スペクトルの900cm-1あたりにエポキシ環の吸収が見られることを確認した。実際に測定した赤外吸収スペクトルの900cm-1付近のあまり強くないピークに着目すると、接着剤の硬化状態と良い相関があることが分かった。

関連装置

コメント

IRスペクトルの推算と実測の相関について研究を開始しているところです。

適用可能な材料

接着剤の他、表面処理剤、ゴムの添加剤の分析についても計算化学を利用しています。

分析事例討論会

R5年度 分析事例討論会