熱抽出 GC/MS によるプラスチック成形不良の原因究明

事例No.

OI-0001

概要

プラスチック成形において、成形時に不具合(型離れが悪い、割れやすい 等)が発生した。成形履歴から原料ペレットの特定ロットが原因と思われた。そこで原因究明のため、原料ペレットの良品および特定ロットについて熱抽出GC/MSによる添加剤分析を行い、差異がないか確認した。

事例提供機関

大分県産業科学技術センター
工業化学担当上野 竜太、谷口 秀樹、安友 政登

事例に関するお問い合せ

サンプル

樹脂ペレット

分析方法

【熱抽出 GC/MS】
 □熱抽出条件 ・60℃ - 20℃/min - 300℃(5 min)
        ・抽出中は液体窒素トラップ(-170 ℃)

 □GC条件   ・インレット  320 ℃
        ・オーブン   50℃ - 10 ℃/min - 300 ℃(10 min)
        ・流量     1 mL/min
        ・スプリット  100:1
        ・キャリアガス He
        ・カラム    HP-5MS 0.25 mm - 0.25 μm - 30 m

 □MS条件  ・トランスファー 300 ℃
       ・イオン源 280 ℃
       ・マスレンジ 29-600 m/z

 □試料量  ・良品①   11.5 mg
       ・良品②   11.6 mg
       ・特定ロット 11.4 mg

分析結果

・良品、特定ロットともにリン系加工安定剤 [B], [C],[D]を検出
・特定ロットのみ[A]を検出

関連装置

コメント

熱抽出 GC/MS により、良品と特定ロットの組成の差異を明らかにすることができた。本分析結果から、成形不良原因を推定することができた。

適用可能な材料

樹脂ペレット

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R6年度 分析事例討論会