GCMS による天然ゴムのニオイ分析

事例No.

HG-0001

概要

におい嗅ぎガスクロマトグラフを用いて、天然ゴムのニオイ物質を特定すると共に、GCMSでその物質の定量分析を行った。

お困りごと・要望

天然ゴムのロール混練加工の際に発生するニオイを評価したい。

事例提供機関

兵庫県立工業技術センター
皮革工業技術支援センター鷲家 洋彦

事例に関するお問い合せ

サンプル

天然ゴム(RSS3号)

分析方法

におい嗅ぎガスクロマトグラフを用いて、天然ゴムのニオイ物質の一つが2,6-ジメトキシフェノール(2,6-DMP)であることを予め特定した。ロール温度 40 ℃のゴムロールに天然ゴム500gを巻き付け、混練開始から 5分,15分,30分の経過時点で、約10 g ずつ切り出し分析用試料とした。また、天然ゴムと同一構造を有するイソプレンゴムに試薬の2,6-DMPをロール混練することによって、標準試料を作製した。前処理はSPMEファイバーを使用し、それぞれの試料のニオイ成分を抽出した。2,6-DMPのターゲットイオン(m/z=154)のピーク面積をもとに検量線を作成、GCMSのSIMモードを用いて試料中の2,6-DMPを定量分析した。

分析結果

標準試料は4.0 mg/kg から 16 mg/kg までの範囲において、決定係数 は0.93 であることから、HS-SPME-GC/MSで作成した検量線は概ね直線性を示した。天然ゴムを混練中の2,6-DMPの初期濃度は6.7 mg/kg、30分経過時は5.5 mg/kgであり、混練時間の経過とともにその濃度は減少することがわかった。

関連装置

コメント

参照:工場内で発生する「臭気」を量る(関西ラボサーチシーズリスト)
工場内で発生する「臭気」を量る

適用可能な材料

ゴム材料、樹脂材料

分析事例討論会

R5年度 分析事例討論会