産友会メールマガジン第14号 【二次電池関連技術特集号】
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産総研中国センター友の会(産友会)メールマガジン
【第14号/2013.02.28発行】
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【二次電池関連技術特集号】
古くから利用されている二次電池ですが、近年、スマホや電気自動車用の電源としてその重要性はますます増大しています。しかし、最近、報道された航空用Li電池システムのトラブルは、現段階ではまだ原因は特定されていないものの、まだまだ解決すべき技術課題があることを示しているようです。産総研では、下記URLに示すように、本年度補正予算に組み込まれる緊急経済対策の中で次世代蓄電池等の研究拠点整備を計画しています。本号では、こうした二次電池の最近の研究動向について特集することに致しました。
■リチウムイオン電池の熱暴走抑制剤
この論文では、リチウムイオン電池の電解質の難燃性を改善するために、熱暴走を抑える新規な芳香族系のリン含有エステルの製造方法について紹介しています。このエステルを標準的な電池の電解質に2-5%添加することにより、火災と爆発を防止して、安全性を向上させることが出来るとのことです。
■LiCoOと炭素電極を用いたリチウムイオン再放電可能セル
本論文では、より大きなエネルギー密度を得るために、層状遷移金属酸化物LiMOz(M-Co、Ni)のカソードとスピネルのマンガン酸酸化物LiMn*O*のアノードおよび電解質溶液からなる電池について調べています。電解液としてプロビレンカーボネィト(PC)-ジエチルカーボネイト(DEC)を用いた場合に優れた特性を示しました。さらにポリフルフリールアルコール由来の炭素電極が大容量と優れたリサイクル特性を有していることが分かりました。
■有機ラジカルカソードを正極活物質として用いる再充電可能な電池
この論文では、エネルギー貯蔵システムのための安定ラジカルの応用について報告しています。合成したポリ(2、2、6、6-テトラメチルメタクリレート)(PTMA)を充電式電池の正極活物質として用いたところ、電池の平均放電電圧3.5Vで500回の充放電を行うことが出来たとのことです。
■高温電池への応用に適した結晶性リチウムイオン伝導体の総説
この総説では、高温電池への応用に適した材料に焦点を当てながら結晶性リチウムイオン伝導体について紹介しています。酸化物や非酸化物の広範囲の材料について調べた結果、特に興味あるシステムとして複数のシステムを推奨しています。その際、考慮された因子は300~600℃の作動温度における高いイオン伝導性、電極材料との互換性および製造の容易さです。
■リチウムイオン電池とリチウムポリマー電池システムのためのセル均等化方法の総説
リチウムを用いる電池は鉛蓄電池のような伝統的な電池と比較した場合、過充電することによりセルを均等化することができないため、それに代わる方法が求められています。この総説では活性化セルバランス法のような電池のセルの均等化をするための方法として、電荷均衡技法の理論を示し、その長所と短所を紹介しています。
■先進的かつ実用的なリチウム電池材料についての総説
この総説では、次世代リチウムイオン電池のための高度な電極材料や電解液の研究開発における最前線の動向を紹介しています。電極上での電極-溶液の相互作用と不動態化現象が、安定性、サイクル寿命や安全性に重要な役割を果たしていることを指摘。
■再充電可能なマグネシウム電池技術に関する短い総説
この総説では、価格が安いマグネシウムを用いる電池について、新規な電解液を開発し、2.5Vを得たことを紹介しています。さらに、MgxMoSyタイプ(シェブレル相)のカソードを用いるマグネシウム電池を作成し、1000回以上の充放電サイクルを実現したことなどを紹介しています。
■リチウム電池の火災テストに関するプレゼン資料
この資料では、Li一次電池とLiイオン電池について、5つの異なるメーカーの18、650のセルを50%充電したものと100%充電したものとをアルコールの炎に晒して試験し、熱伝搬と爆発の状況について調べています。さらに、ハロンの効果を調べるとともに、10m3の容器を使用した圧力パルス試験も行っています。
■リチウム電池保護回路
この発明では、電池や多重セルで構成される電池を結線ミスによる電圧の逆転を防ぐための方法と装置を提供しています。検出する方法としては電圧レベルの低下を検出した際に電圧レベルと負荷の結線ミスを比較することによるものです。
■リチウムイオン電池における劣化メカニズム
充電式リチウムイオン電池は、電圧が高く、重量あたりのエネルギー密度が高く、自己放電速度が低いため、広範囲の移動体通信やポータブル機器で使用されています。さらに、電気自動車や定置エネルギー貯蔵用電源として最も有力な候補の一つです。本論文では、リチウムイオン電池の老化のメカニズムについて紹介しています。
■「ドイツ蓄電等関連技術市場に関する調査」報告書
日本貿易振興機構(ジェトロ)は2012年2月に、市場動向、規制・制度関係、流通外観、バイヤー情報、業界誌・見本市、プロジェクト情報についての調査結果をまとめた標記報告書を発行しました。
■Liイオン電池のLiイオンの出入りを可視化
産総研では、Liイオン電池の正極材料でのLiイオンの出入りの様子を明らかにするため、走査透過電子像観察-電子エネルギー損失分光(STEM-EELS)のスペクトルデータ処理を行うことにより、充放電に伴うLiイオンのナノスケールでの濃度分布を明らかにしました。
■分散型電池電力貯蔵技術
産総研では、一般家庭などで夜間電力を貯蔵できる小規模な電池電力貯蔵装置や夜間に貯蔵した電力を利用する電気自動車への応用が可能な、分散型電池電力貯蔵技術の研究開発を実施しています。この中で「高能率未来型電池の研究」としてリチウム二次電池の研究開発を行うとともに、電池の導入方策等を検討する「トータルシステムの研究」を行っています。
■イオン液体とゲル空気極を用いたリチウム-空気電池
これまでのリチウム-空気電池には電解液として有機電解液が用いられているため、発火、蒸発、分解しやすいなどの問題がありました。産総研では、今回、電解液としてイオン液体、空気極としてゲルを用いる設計を採用し、従来よりも、安全で、安定した動作をするリチウム-空気電池を作製し、この電池により、初めて空気中での可逆的な大容量(10,000mAh/g)充放電を実現しました。
■安価で高性能なリチウムイオン二次電池正極材料の開発に成功
産総研では、酸化物中全遷移金属量の30%に、安価で資源的にも豊富な鉄を用いた、二種のリチウムイオン二次電池用新規酸化物正極材料を開発しました。これらの正極材料は還元焼成を含む湿式化学製造法により作製され、規格化放電容量値を既存正極材料並みの約80%にまで向上させることができました。
■リチウム二次電池用の新しい負極材料を開発
産総研では、企業と共同でリチウムイオン二次電池用の新しい高容量チタン酸化物負極材料(H2Ti12O25)を開発しました。この負極材料は現行材料と同程度の高い電位をもつ高容量な酸化物系の代替負極材料です。正極にマンガン酸リチウムを使用してリチウムイオン二次電池を試作したところ、可逆的な充放電ができたことから、開発した新規チタン酸化物は負極として問題なく機能することが分かりました。
■リサイクルが容易な「リチウム-銅二次電池」を開発
産総研では、大容量でリサイクルが容易な「リチウム-銅二次電池」を開発しました。今回開発した電池は、電極に金属リチウムと銅だけを用いており、低コストで生産でき、簡単なプロセスでリサイクルすることが可能。
■有機物で二次電池を作る
―無機電極材料を代替し、レアメタルフリー電池を目指す―
産総研では、スルホ基をもつ誘導体(インディゴカルミン)が、容量は十分でないものの、充放電1000サイクル以上の寿命があることを示し、耐久性で劣ると考えられがちな有機物ではあっても、現行の無機材料に遜色ない水準に到達することを示しました。
■Li金属極の充電性能を格段に高めるイオン液体を開発
産総研では、環状4級アンモニウム-イミド塩からなるイオン液体電解質がリチウム金属極に適用可能な耐還元性を持つことを明らかにしました。この電解質を用いた場合、溶解析出を繰り返したリチウム金属基板上へのリチウムの析出形態は有機電解液の場合のような樹枝状ではなく、平滑であること、したがってリチウム金属極の性能と信頼性が格段に向上することが分かりました。
■ソフト化学合成法によるリチウム二次電池用高容量電極材料の開発
産総研では、高容量電極材料の開発に無機材料の低温合成プロセスのひとつであるソフト化学合成法を適用し、いずれも現行材料よりも高容量な新規マンガン酸化物系正極材料および新規チタン酸化物系負極材料を開発しました。
■コバルトフリー化ニッケル水素電池の開発
産総研では、コバルトフリー化によりコストを下げながら、より高性能な、スマートグリッドに適したニッケル水素電池を開発しました。
■新規ナノポーラス材料の電極への応用
産総研では、最近開発した結晶性金属酸化物複合ナノポーラス材料(TiO2-P2O5)をリチウム2次電池の電極(負極)に応用することで、従来のリチウム2次電池と同程度のエネルギー密度を維持した上で、パワー密度が2桁以上向上することを実証しました。
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