2022 産業技術総合研究所中部センター研究講演会

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2022 産業技術総合研究所中部センター研究講演会
―材料が導くカーボンニュートラル―
※盛会裏に終了いたしました。ご参加いただきました皆様に御礼申し上げます。

開催期間	2022年2月25日（金）　13:00～16:30（予定）
プログラム	13:00～13:10　開会の挨拶　　　　　産業技術総合研究所中部センター所長　田澤真人来賓ご挨拶　　　　　名古屋市長　　河村　たかし　氏 13:10～13:50　特別講演１　カーボンニュートラル実現のカギを握る材料開発と　　　その社会実装のための産業技術総合研究所への期待　　　　　名古屋大学教授　　　　　産総研桂冠フェロー　　　　　天野　浩　氏 13:50～14:20　特別講演２　カーボンニュートラルに向けた産総研の取り組みと　　　中部センターでの関連セラミックス研究　　　　　産業技術総合研究所　　　　　副理事長　　村山　宣光（材料・化学領域長　濱川聡） 14:20～14:30　休憩 14:30～15:30　オンラインラボツアー　タイトルを選択すると、概要等をご覧いただけます。 01.　ガスセンサを用いた検知器の紹介 ■発表者所属：極限機能材料研究部門¹・極限機能材料研究部門　電子セラミックスグループ² ■発表者：松原一郎¹、増田佳丈²、伊藤敏雄² ■概要：当研究グループでは、硫黄系センサ、水素センサ、揮発性有機化合物センサ等のセンサ素子を開発した。更に、デバイス開発にも取り組み、プロジェクト等において呼気を計測する検知器を試作した。これらの検知器、及び、ガスセンサの応答メカニズム等の詳細を紹介する。 02.　知らないうちに日射熱を制御します ■発表者所属：極限機能材料研究部門　光熱制御材料グループ ■発表者：岡田昌久、山田保誠 ■概要：私たちは二酸化バナジウム(VO₂)ナノ粒子の合成技術、インク化技術、及びシート化技術を開発しています。VO₂は近赤外域で自律調光するサーモクロミック性を有しています。VO₂ナノ粒子分散サーモクロミックシートをスマートウィンドウに応用すれば、寒い時は日射のポカポカ感を取り入れ、暑い時は日射のジリジリ感を取り入れないことで、特に意識することなく、年間を通して室内の快適性を維持できます。 03.　セラミックス熱交換器等の部材化プロセス開発 ■発表者所属：マルチマテリアル研究部門　セラミック機構部材グループ ■発表者：堀田幹則 ■概要：複雑形状のセラミックス熱交換器を製造するための3次元積層造形設備や試作品をご見学いただきます。また、凍結造粒を用いた機能性セラミックス顆粒、化学気相析出を用いたバルクから粒子まで多彩な表面へのセラミックスコーティング、等の研究成果についてもご説明いたします。 04.　磁性材料における鋳造技術の「見える化」 ■発表者所属：磁性粉末冶金研究センター　磁性材料プロセスチーム ■発表者：田村卓也 ■概要：プロセスインフォマティクスなどの機械学習には質の良いデータが必要です。ラボツアーでは、磁性材料における鋳造技術の代表プロセスである液体超急冷法における「見える化」をご覧いただく予定です。この「見える化」により、これまで非晶質化できなかった組成において非晶質化を達成できるようになりました。 15:30～16:30　オンラインポスターセッション（最新の研究成果発表）　タイトルを選択すると、概要等をご覧いただけます。 01.　鼻が利くにおいセンサ ■発表者所属：極限機能材料研究部門　電子セラミックスグループ ■発表者：伊藤敏雄、赤松貴文、増田佳丈 ■概要：半導体式センサは安価で簡便に製造できる反面、湿度の影響を受け易い。当グループは、湿度の影響を受け難いバルク応答型材料をセンサアレイに加えることでニオイの識別向上に成功した。開発したセンサ材料とセンサシグナルの機械学習によるニオイの分類と識別に向けた取り組みについて紹介する。 02.　誘電体ナノキューブを適用した超高速充放電リチウムイオン電池の創製 ■発表者所属：極限機能材料研究部門　蓄電材料グループ¹・岡山大学² ■発表者：三村憲一¹、寺西貴志² ■概要：リチウムイオン電池の正極上に誘電体であるチタン酸バリウムナノキューブを高分散かつ均一に担持させることにより、誘電体/正極/電解質の三相界面密度が大幅に増大し、その界面がリチウムイオンの高速移動経路となり、被覆処理のない電池と比較して５０Cレートにおける高速充放電時において10倍以上の大容量化を実現した。 03.　知らないうちに日射熱を制御します ■発表者所属：極限機能材料研究部門　光熱制御材料グループ ■発表者：岡田昌久、山田保誠 ■概要：私たちは二酸化バナジウム(VO₂)ナノ粒子の合成技術、インク化技術、及びシート化技術を開発しています。VO₂は近赤外域で自律調光するサーモクロミック性を有しています。VO₂ナノ粒子分散サーモクロミックシートをスマートウィンドウに応用すれば、寒い時は日射のポカポカ感を取り入れ、暑い時は日射のジリジリ感を取り入れないことで、特に意識することなく、年間を通して室内の快適性を維持できます。 04.　天然模倣材料による硝酸性窒素の固定化技術 ■発表者所属：極限機能材料研究部門　ナノポーラス材料グループ ■発表者：大橋文彦 ■概要：健康被害を惹起するとされている硝酸性窒素による水質汚染が、近年世界規模で顕在化してきている。窒素資源循環型社会の実現に向け、地球表層物質である無機高分子集合体の吸着現象を活用した硝酸性窒素の省エネルギー分離回収技術の研究開発を行っている。既存材料を上回る硝酸性窒素吸着能力を有する高比表面積ナノ材料の開発に成功しており、今後も増加傾向にある人為起源窒素の資源化プロセスへの応用展開が期待される。 05.　高機能セラミック材料を活用したサーマルマネジメントによるCO₂排出量の低減 ■発表者所属：マルチマテリアル研究部門　セラミック組織制御グループ ■発表者：福島学、周游、平尾喜代司、中島佑樹、宮崎広行 ■概要：セラミックスの機能を高度に発現させる独自の組織制御技術により、1)次世代パワーモジュールの絶縁放熱窒化ケイ素セラミックス基板の高靱性・高熱伝導化、および、2)産業炉・工業炉で使用される高機能断熱材の超高気孔率化・高強度化を紹介するともに、そのCO₂排出量削減効果を概説する。 06.　CO₂のネガティブエミッションを最大化する木質資源複合材料高度循環技術の開発 ■発表者所属：マルチマテリアル研究部門　木質資源複合材料グループ ■発表者：三木恒久、関雅子、阿部充 ■概要：本研究では、次世代複合材開発でのCCUS技術・資源循環技術として、廃棄木質資源等の低品位木材を主原料にして、化学修飾し易い木材を生産する技術開発を目指す。更に、CO₂固定を維持しつつ易解体ながら金属並みの強度や寿命をもつ建材等や生活密着製品として、何度も使用できる水平/アップリサイクル技術の創出を試みる。 07.　電磁撹拌を用いたアルミニウムの組織制御技術と資源循環への応用 ■発表者所属：マルチマテリアル研究部門　軽量金属プロセスグループ ■発表者：村上雄一朗、古嶋亮一、志賀敬次、尾村直紀 ■概要：アルミニウム合金は軽量材料として輸送機器の軽量化、燃費の向上に寄与できる一方、新地金製造時の温室効果ガス排出量が大きいことが課題である。このため、僅かな温室効果ガス排出量にて実施可能な循環利用を積極的に行う必要がある。産総研では、溶融・凝固プロセスと電磁撹拌技術を組み合わせることにより、材料組織制御によるアルミニウムの高強度・高靱性化のほか、不純物元素の分離除去による資源循環技術の開発を行っている。 08.　炭素繊維のリサイクル・評価・活用技術 ■発表者所属：マルチマテリアル研究部門　ポリマー複合材料グループ ■発表者：今井祐介、杉本慶喜、島本太介 ■概要：軽量構造材料として需要増が期待される炭素繊維強化複合材料（CFRP）は、一方で、強化繊維である炭素繊維の製造に多くのエネルギーが用いられていることもあり、炭素繊維をリサイクル・再活用し、資源循環を実現することが課題となっている。本発表では、CFRPから回収されるリサイクル炭素繊維の評価・活用に関する技術開発の取組について紹介する。 09.　高効率モーター用永久磁石開発の最前線 ■発表者所属：磁性粉末冶金研究センター　ハード磁性材料チーム ■発表者：尾崎公洋、高木健太、山口渡、岡田周祐、細川明秀、平山悠介、キムジョンリャン、王建 ■概要：カーボンニュートラルの実現には、高効率モーターを用いた環境エネルギー技術が欠かせない。モーターの回転力の源は磁気力であり、高性能磁石の実現はモーターの高性能化において大きな鍵を握る。ハード磁性材料チームでは、ポスト・ネオジム磁石として特にモーター動作時の高温下で高特性を発揮する実用磁石の開発に注力している。極低酸素雰囲気下で磁粉製造からバルク化までを一気通貫で行う低酸素粉末冶金システム、希土類磁石最高磁化を有する鉄リッチ準安定相磁粉の単結晶化、ソフト磁性相の高磁化とハード磁性相の高保磁力を合わせ持つナノコンポジット磁石などについて、最新の開発状況を紹介する。 10.　熱制御デバイスのための固体材料 ■発表者所属：磁性粉末冶金研究センター　エントロピクス材料チーム ■発表者：藤田麻哉、杵鞭義明、中山博行 ■概要：形状を保持して相変化潜熱を利用できる固体材料は、磁気ヒートポンプや熱暴走抑制デバイスなど、従来の固-液変化材では不可能な新しい展開を生む。材料特性に加え、デバイス化に向けた部材形成の動向を紹介する。 11.　鋳造だけで強力ネオジム磁石を作る ■発表者所属：磁性粉末冶金研究センター　磁性材料プロセスチーム ■発表者：田村卓也、李　明軍 ■概要：EVやHEVはクリーンで環境にやさしいですが、その価格はガソリン車と比べるとまだまだ高いのが現状で、普及のための購入補助金等も⾏われています。強力磁石は自動車電動化のための各種モーターに使用されていることから、超高性能磁石追求と対をなし、低価格強力磁石のニーズも今後大きくなっていくと予想されます。本研究では、現在のガソリン車の価格競争力を支えている複雑形状・高い寸法精度・短時間大量生産という特徴を持つ鋳造技術のみにて強⼒ネオジム磁石の創製を行うことをねらいとしております。 12.　機械学習による材料・プロセス・特性モデルの開発 ■発表者所属：磁性粉末冶金研究センター　特性予測プロセス設計チーム ■発表者：細川裕之、下島康嗣、柏谷裕美 ■概要：近年材料分野においてデータ駆動型研究開発の重要性が認識されており、機械学習はこれらを推進する強力なツールとして捉えられている。我々のチームでは、ものづくりに対応できるような機械学習システムの構築、およびそれを用いた高性能材料作製を目指している。システム構築には、材料・プロセス・特性に係るデータが必要であるが、実験データの性質上機械学習モデル作成に使用することは往々にして困難な場合が多い。ここでは主に、このような問題点解消に取り組んだ機械学習の事例について紹介する。 13.　低消費電力と高性能化を両立する窒化物半導体の結晶成長 ■発表者所属：窒化物半導体先進デバイスOIL¹、電子光基礎技術研究部門² ■発表者：山田永^1,2、熊谷直人¹、山田寿一¹、王学論¹、清水鉄司^1,2、榊田創^1,2 ■概要：GaN系半導体が次世代パワー・高周波デバイスや高輝度発光デバイスとして期待されている。低消費電力と高性能化を両立するには高品質の結晶成長が求められる。産総研GaN-OILではMOCVDを用いた窒化物半導体の結晶成長に加え、プラズマ源による低ダメージ・低温結晶成長技術による長波長発光デバイス、人工知能を活用した装置開発、および新規非破壊評価技術の開発を行っている。 14.　GaNマイクロLEDに向けた材料・プロセス技術の開発 ■発表者所属：窒化物半導体先進デバイスOIL ■発表者：王学論、熊谷直人、山田寿一、山田永 ■概要：近年のウエアラブル型・携帯型情報端末の急速な普及に伴い、サイズ数 μmのマイクロLEDを高密度に配置したマイクロLEDディスプレーが大きな注目を集めており、低消費電力、高輝度、高解像度な素子の開発が求められている。産総研GaN-OILでは、加工ダメージによるマイクロLEDの発光効率低下問題を解決するため、従来のプラズマプロセスに代わって、中性粒子ビームエッチング技術を用いたGaNマイクロの作製技術の開発を行っている。 15.　AIを用いたワイドバンドギャップ半導体の結晶成長条件の最適化 ■発表者所属：窒化物半導体先進デバイスOIL ■発表者：宇治原徹、清水三聡 ■概要：有機金属気相成長（MOCVD）装置を用いた高品質な窒化ガリウム(GaN)結晶の作製のためには、原料の流量、炉内の温度分布など、多くのパラメータの最適化が必要となるが、従来はオペレータの試行錯誤に依存してきた。本研究課題では、シミュレーションと機械学習を組み合わせ、さらに、デジタルツインを用いて熟練オペレータの経験値も反映可能とすることによって、最適な条件を素早く見出す技術の確立を目指している。 16.　窒化物半導体デバイスを用いた非接触給電技術 ■発表者所属：窒化物半導体先進デバイスOIL ■発表者：井手利英、鍛冶良作、清水三聡 ■概要：非接触給電回路の根幹を為すのはスイッチング回路技術である。GaNデバイスの導入でスイッチング周波数を高周波化すると、受動部品のコイルやコンデンサのサイズを縮小できるため、システムの小型化が可能となる。本課題では、非接触給電システムの高効率・小型化・急速充電化を目指し、GaNデバイス回路技術、MHz磁性材技術、ノイズ低減・EMC評価技術を開発している。 16:30（予定）　閉会
開催形式	オンライン開催（使用ツール：Microsoft Teams） ※アーカイブ配信はございませんので御了承ください。
募集人数	ウェブ参加：1,000名
参加費	無料
参加申込	多数のご参加申込を頂戴しました。ありがとうございました。
会告	ポスター
備　　考	国立研究開発法人産業技術総合研究所　中部センター　産学官連携推進室問い合わせ先 e-mail： M-event-chubu-mlaist.go.jp （を@に変更して使用して下さい。）

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