- セラミックIC基板の原点は陶磁器加飾技法 -
戦後、プラスチック板に電気回路 ( 銅 ) を印刷したパッケージが電気製品に組み込まれるようになった。しかし、それは回路からの発熱により、耐熱性の不足が問題であった。これを解決するためにセラミックスの基板上に電気回路を貼り付けることが提唱され、セラミックIC基板の研究が始まった。その当時、名古屋工業技術試験所・瀬戸分室 ( 現、瀬戸サイト ) に勤務していた杉浦正敏が、この製造法として金、銀、銅を用いた陶磁器の加飾、転写技法に着目し、セラミック業界 ( 京都セラミックス、日本特殊陶業、鳴海製陶 ) へ、その技術を援用するように働きかけた。その後、杉浦らは京都セラミックス ( 現、京セラ(株) ) へ転出し、セラミックIC基板の開発研究に従事、京セラを世界一のセラミックIC基盤の製造王国に導く端緒をつけた。
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