多くの材料は微小な粒子、気孔、繊維などにより構成されています。これら構造因子の種類、形状、分布、配置や組み合わせを人為的に制御することにより、特性や機能を向上させることができます ( 構造制御 ) 。しかし、多くの特性や機能の同時発現を目指す場合に、通常の構造制御では目的とする特性・機能が両立しないことがあります。この場合には、一方の特性を発現させる構造のサイズ ( 階層 ) を他方と大きく違え、それらを同時に制御することにより ( 高次構造制御 ) 、両特性の共存が可能となります。また、複数の性質の相乗効果により飛躍的な特性向上も実現することができます。このような特性・機能の共存や相乗効果は、あたかも生物の共生関係 ( シナジー ) のようであることから、優れた特性・機能が共存している材料をシナジーマテリアルと呼ぶことになりました。 |