創薬基盤研究部門

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最先端バイオ技術探求グループ [ 所在地:臨海副都心センター ] 

最先端バイオ技術探求グループは、微生物、植物、動物における生命現象解明と物質生産に関わる技術に関して、世界に誇れる最先端のゲノム応用技術、機器分析技術およびインフォマティクス技術の開発を通じ、学問分野に貢献すると共に、それらを応用した産業発展に貢献することを目標としています。

研究課題

微生物遺伝子を用いた天然化合物生産
微生物遺伝子を用いた天然化合物生産

生合成遺伝子を用いた異種発現システムによる天然化合物生産技術の開発

 従来の発酵法による微生物二次代謝生産では、微生物ゲノム中に存在する生合成遺伝子数の1/3にも満たない能力しか引き出せていないことが明らかになってきています。本研究では、難培養微生物由来の未利用生合成遺伝子を含め、様々な微生物の生合成遺伝子を異種ホストに形質転換し、異種発現システムにより、これまで人類が入手不可能であった新奇天然化合物を創出することを目的としています。また、これまで「匠のノウハウ」に依存して来た化合物の高生産化を、ゲノム改変等の技術を用いて科学的に高生産微生物構築する技術開発も行っています。

天然物ライブラリーを用いた創薬スクリーニング
天然物ライブラリーを用いた創薬スクリーニング

世界最大級の天然物ライブラリーを用いた創薬スクリーニング

 現在上市されている医薬品の6割以上は天然化合物あるいは天然化合物を模倣して合成展開した化合物に由来するように、天然物ライブラリーは創薬スクリーニングのソースとして長く用いられています。当グループは、国内有数の製薬系企業提供の天然物ライブラリーを含む、世界最大級の天然物ライブラリーを保有しており、当ライブラリーを用いた企業およびアカデミア発の創薬ターゲットを対象に、大規模な医薬、動物薬、農薬等のリード化合物探索を展開しています。

tRNAの硫黄修飾塩基の生合成機構の解析


tRNAの硫黄修飾塩基の生合成機構の解析

 コドンとアミノ酸を結び付けるtRNAには多数の転写後修飾があり、硫黄修飾塩基はコドン認識や立体構造の安定化という重要な役割を担っています [図①]。本研究では、多くの生物に共通する複雑な生合成のしくみを、好熱性細菌をモデルに解析しています。
 反応性の高い硫黄を利用する巧妙な仕組みを用いて、硫黄キャリアタンパク質TtuB [図②] に活性化硫黄が結合し、これがRNA硫黄化酵素によりtRNAへ導入されます。このTtuBはユビキチンに似た構造をとり、多数の標的タンパク質に共有結合していました [図②]。真正細菌では初めての発見です。生合成因子も翻訳後修飾されており、RNA硫黄化反応が制御されていると考えています。生化学と分子生物学の手法により生合成機構を解明し、創薬や物質生産へとつなげたいと考えています。

メタゲノム解析による環境中の機能遺伝子の動態解析と未知遺伝子の探索


メタゲノム解析による環境中の機能遺伝子の動態解析と未知遺伝子の探索

 環境中における微生物の99%以上は培養できないという事実が明らかになってきています。つまり、実際の自然環境中にはまだまだ未知の遺伝子資源が多様に存在している可能性があるのです。そこで、培養という過程を介さないメタゲノム手法により、環境中における微生物とその遺伝子の真の姿を明らかにすることを試みています。
 特に、芳香族化合物など、化学工業の発展に伴い環境中に放出されてきた環境汚染物質は、生物にとっては「毒」ですが、驚くことにこれらを「餌」に生きていく特殊能力を身につけた微生物が出現してきました。このような微生物群を対象にゲノム・メタゲノム解析を行い、環境浄化(バイオレメディエーション)や有用生物プロセスの開発といった応用的側面のみならず、微生物の環境適応・進化のメカニズムを探るという基礎科学的側面からも研究を行っています。

システム構造化によるネットワーク構造推定手法の開発と適用


システム構造化によるネットワーク構造推定手法の開発と適用

 遺伝子発現データやプロテオームデータ、および酵素活性データや細胞発光データ等の数値で表現される各種生物データを元に、遺伝子間、遺伝子−タンパク質間、細胞間それぞれの因果関係 (ネットワーク構造) を推定する手法を開発し、細胞内制御メカニズムの数理モデルによる解明を行っています。
 各種オミクスデータについては、これまで開発してきた構造方程式モデリングをベースとし、多変数間の構造推定にシステム構造化手法を組み合わせた新規ネットワーク推定手法を開発しています。開発した手法をシステマティックに測定されたデータに適用し、細胞分化過程やある細胞系譜上で活性化している遺伝子制御関係、物質生産に寄与する細胞内因子間の制御関係を推定しています。また、測定点が多数の生物時系列データに対し、従来の時系列解析手法とネットワーク構造推定とグラフマイニング等の技術を組み合わせた、新規技術の開発も行っています。

超高分解能高精度質量イメージングによる植物・動物組織の分子イメージング






超高分解能高精度質量イメージングによる植物・動物組織の分子イメージング

 ゲノムシークエンシング技術や遺伝子発現解析技術の進歩に伴い、植物・動物組織における遺伝子の働きに関して様々な解析が行えるようになってきました。しかし、遺伝子産物であるタンパク質が作る場で様々な低分子が動的に代謝・輸送・蓄積されながら生命を支える仕組みを解析する技術は、いま発展途上です。当グループでは、その中でも特に、植物・動物組織内における様々な代謝物の分布状況を精密にイメージングする技術に特化して開発を行っています。
 固定化した植物・動物組織に小さく絞ったレーザー光をスキャン照射して、レーザを照射した微小領域に存在する分子をイオン化・その質量を超伝導マグネットを利用して超高分解能高精度に決定することにより、当グループでは、組織内の様々な代謝物の分布を同時にイメージングするための装置開発、解析技術の開発に成功しました。特にこの装置では、これまで適用が難しかった植物の厚い切片や非切片試料の観察が可能であり、植物体内での2次代謝系の可視化や有用化合物の局在性解析に応用しています。

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研究成果

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グループの構成メンバー

顔写真 役職・名前 メールアドレス、ホームページ
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研究グループ長
新家 一男(Kazuo SHIN-YA)
メールアドレスメールアドレス
Katsutoshi TAKAHASHI
主任研究員
高橋 勝利(Katsutoshi TAKAHASHI)
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主任研究員
鴫 直樹(Naoki SHIGI)
メールアドレスメールアドレス
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主任研究員
末永 光(Hikaru SUENAGA)
メールアドレスメールアドレス
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主任研究員
油谷 幸代(Sachiyo ABURATANI)

主務) CBBD-OIL 副ラボ長、兼務) 創薬基盤研究部門 最先端バイオ技術探求グループ
メールアドレスメールアドレス
ホームページURLhttp://cbrc3.cbrc.jp/~aburatani/
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主任研究員
富永 大介(Daisuke TOMINAGA)

主務) CBBD-OIL、兼務) 創薬基盤研究部門 最先端バイオ技術探求グループ
メールアドレスメールアドレス
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研究員
橋本 拓哉(Takuya HASHIMOTO)
メールアドレスメールアドレス
 ※ CBBD-OIL: 産総研・早大 生体システムビッグデータ解析 オープンイノベーションラボラトリ (AIST-Waseda University Computational Bio Big-Data Open Innovation Laboratory)

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