植物分子工学研究グループ
成果発表

【1】イヌインターフェロン-α生産イチゴの開発

国内では成犬の8割以上が歯周病に罹患しているとの報告があります。有効な治療薬が望まれているところですが、当研究室では、イヌ歯周病に対する治療薬として期待されるイヌインターフェロン-α(サイトカインの一種)を生産する遺伝子組換えイチゴの作出に成功しました。 イヌインターフェロン-αを生産するイチゴ粉末を、直接イヌに経口投与(口内に塗布)することで、歯肉炎の治療効果があることを証明しました。 本研究は、製薬企業との共同で行っていま す。




【2】非拡散植物ウイルスベクターの開発

植物ウイルスベクターは、短期間に大量の遺伝子組換え蛋白質を生産可能なシステムとして注目されています。これまでに当研究室において、様々な植物において物質生産を可能にするキュウリモザイクウイルス(CMV)ベクターを開発しています。しかし、一般に植物ウイルスベクターは、屋外で使用した場合予期せぬ感染拡大を引き起こす可能性があります。そこで、拡散しないCMVベクターと、そのベクターの植物体内における移行を補完することのできる接種用植物体(組換え植物体)を作出しました。両者を組合わせて利用することで、この接種用植物体内でのみ目的タンパク質の生産を行うことができる新たな発現系、"非拡散植物ウイルスベクターシステム"を開発しました。このシステムは、様々な遺伝子組換えタンパク質の植物生産への応用が期待されます。


【3】植物のサイレンシング技術の物質生産への応用

植物で目的の物質を大量に生産させるには、その遺伝子を大量に発現させる必要があります。この場合、植物の有するサイレンシング機構が誘導され、目的遺伝子が分解されてしまうことが知られてます。我々の研究室では、サイレンシグ機構を抑制する植物ウイルス由来RNA Silencing Suppressorを利用することで、目的物質の高発現技術を開発しています。



恒常的にRSS発現する組換え植物体にGFP(図左)または抗体(図右)を一過性発現させた。


【4】完全人工光型植物工場における養液栽培技術の開発

栽培環境を制御し、天然の二次代謝産物や組換えタンパク質の生産量を制御する栽培試験を行っています。光源にはメタルハライドランプ、高圧ナトリウムランプ、蛍光灯等に加え、光質の制御が可能は冷陰極管や高性能LED照明装置を使用し、植物種ごとに最適な光環境を検討しています。現在までにイチゴ、イネ、タバコ、ジャガイモ、レタス、シソについて試験栽培を行い良好な成績をあげました。


【5】薬用植物栽培技術の開発

生薬を原材料とする漢方薬の国内市場は年々増加しているが、日本は80%以上を中国からの輸入に頼っている。近年、乱獲による枯渇防止、環境保全のため生薬植物の採取・輸出制限などから、世界的な供給不足、価格高騰が危惧されています。
生薬植物は多科・多種にわたるが、その栽培方法が確立した種は少なく、植物工場における水耕栽培技術に至っては、ほとんど確立されていません。研究室では、各種生薬植物類の水耕栽培技術の開発を行っています。


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