第3回産総研ナノシステム連携促進フォーラム

〜企業との連携によるナノシステムの産業化をめざして〜

産業技術総合研究所ナノシステム研究部門

プログラム(口頭発表)

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13:00 挨拶(産総研理事 一村 信吾)
13:05 ナノシステム研究部門の紹介(八瀬 清志)
13:20 [K1] 動かせる微細なシワ:マイクロリンクル(大園拓哉)
 マイクロリンクルとは表面のシワ=凹凸構造です。これは柔らかい弾性基板上に密着したナノ薄膜が、横からの歪みを受けて、自発的に表面波打ち構造を形成したものです。このような自己組織化的性質のため、シワの周期をミクロン以下で簡単に制御することができます。更に加える歪みの方向によってシワ方向を自在に変えることができます。すなわち、マイクロリンクルは“動かせる微細構造表面”であり、他に類例のないものです。この特性を用いて可能となった液体微細形状の操作などその応用例を紹介します。 画像:K1 動かせるマイクロリンクル=表面微細凹凸の例
13:40 [K2] 多機能ゲル化剤としての「有機電解質オリゴマー」の開発(吉田 勝)
 ゲルは化粧品、医薬品、増粘剤等の広範な産業分野で利用されており、今後もその応用分野が拡大していくものと期待されます。 我々は、混ぜるだけの簡単な反応で、新しい電解質ゲル化剤を合成することに成功しました。本ゲルは、これまで困難であった酸性水溶液の固化に利用することができます。 また分子構造を制御することで、様々な有機溶媒に対する溶解性を調節できます。さらには構造崩壊後の自己修復能、カーボンナノチューブ分散等の機能を持ち、従来無かった新しいソフトマテリアルとして利用できます。本ゲル化剤の広範な産業応用をめざして、化学試薬としての販売も開始しています。 画像:K2
14:00 [K3] マイクロミキサーを用いた高度制御ナノ粒子製造プロセス(陶 究)
 マイクロミキサーは流体の急速混合や急速昇温/急速冷却を可能とするデバイスです。このデバイスを用いると、過飽和度(溶解度)が精密に操作できるため、ナノ粒子製造過程を高度に制御することができます。 我々は、常温常圧から高温高圧までの様々な溶媒環境において、粒径やその分布、結晶構造などを制御したナノ粒子製造プロセスを開発しています。 また、用途に応じたマイクロミキサーの開発や、過飽和度の評価に不可欠な物性データ測定法の開発も行っています。 画像:K3 マイクロミキサーを用いた金属酸化物ナノ粒子の連続水熱合成法
14:20 [K4] レーザー法によるサブミクロン球状粒子の新合成技術(越崎直人、石川善恵)
 球状粒子は等方性・安定性・分散性などに優れることから、さまざまな応用が期待されています。しかし、金属や無機材料のサブミクロン(10-7m)球状粒子を作ることは従来法では困難でした。 われわれは液相中に分散させたナノ粒子に弱いレーザー光を照射することにより、サブミクロン球状粒子を作製することに成功しました。この技術の特徴と適用例について紹介します。レーザー光を細く絞る必要がないため生成量の大幅な増大も期待できます。
【詳細情報】www.aist.go.jp/aist_j/new_research/nr20100901/nr20100901.html
画像:K4
14:40 [K5] ナノコロイド触媒を用いたエッチングレス無電解めっき(堀内 伸)
 無電解めっきプロセスでは、基材に触媒機能を与え、まためっき膜を密着させるため、基材表面を粗化する必要があります。我々は、ポリマー等で保護された貴金属コロイドを触媒として用いることにより、表面粗化なし(エッチングレス)で無電解めっきが可能なプロセスを開発しました。塩化金酸と過酸化水素によるシアンフリー金めっき、塩化白金酸とアスコルビン酸による白金めっき、硫酸銅/ホルムアルデヒドによる銅めっきが可能です。これにより、PET、カプトン、エポキシ樹脂、液晶ポリマーなど従来めっきが困難であった高分子素材や、繊維、微粒子など様々な形状へのめっきが可能となりました。 画像:K5
15:00 休憩
15:15 [K6] 細胞試験による工業ナノ材料の安全性評価(藤田克英、越崎直人、Hongqiang Wang、堀江祐範)
 工業ナノ材料が市場や社会に受け入れられるためには、その安全性や安全管理に関する情報を、事業者が自主的に、説得力ある形で提示する必要があります。もし、自主的に安全性試験を実施し、作業環境基準値などを提案することができれば、製品の安全性確保という観点から大きなセールスポイントとなり得ます。我々は、培養細胞を用いた簡易で迅速な試料調製方法の開発、物理化学的計測、さらに細胞影響試験を通じて、工業ナノ材料の安全性評価手法の確立をめざした研究を進めています。 画像:K6
15:35 [K7] スーパーコンピュータによる仮想実験:「地球シミュレータ」が「ナノシミュレータ」に(宮本良之)
 海洋科学研究機構が保有する「地球シミュレータ」は、気候・地殻変動といったマクロ現象のシミュレーション目的で建設されましたが、そのスーパーコンピュータはミクロな世界を記述するシュレディンガー方程式の数値計算にも適しています。本講演では、地球シミュレータを用いたナノカーボンの光励起に伴う高速現象をシミュレーションした事例を紹介し、ナノスケールの仮想実験の必要性を議論します。ここに紹介する図は、カーボンナノチューブ内部に閉じ込めた分子が、極短パルスのレーザー照射で分解する過程をシミュレーションした結果です。 画像:K7
15:55 [K8] リチウムイオン電池電解液用イオン液体の物性予測:分子動力学シミュレーションによる研究(都築誠二)
 イオン液体は陽イオンと陰イオンだけからなる融点の低い液体です。電気を通しかつ燃えにくいので、イオン液体を電解液とする安全なリチウムイオン電池の開発が行われています。電池性能を向上させるためにはイオンの動き(拡散)を速くして、伝導性を良くすることが必要です。そこで様々なイオン液体が試みられていますが、目的に適したイオン液体を合成することは簡単ではありません。本研究では、分子動力学シミュレーションでイオンの拡散の速さをあらかじめ予測し、電池性能の向上が期待できるイオン液体を効率的に開発することをめざしています。 画像:K8 分子動力学シミュレーションで計算されたイオン液体の液体構造
16:15 [K9] プリンタブル・エレクトロクロミック素子(田中 寿)
 エレクトロクロミズムとは電気によって色が変化する現象です。我々は、エレクトロクロミック(EC)材料をインク化し、また電解質もゲル固体化することで、可逆的に色制御できる新型のEC素子を開発しました。本素子は印刷・塗布法で作製できるため、簡便・低コストで、大面積化することが容易です。色変化時にはわずかな電力を消費するものの、着色/消色状態の維持にはエネルギーを必要としないため、省エネ型の調光素子や表示素子をはじめとする大面積色制御素子としての応用が期待されます。
【詳細情報】www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2010/pr20100326/pr20100326.html
画像:K9
印刷・塗布で作製したエレクトロクロミック表示素子の試作品
16:35 [K10] マイクロ波特性評価装置の開発:マイクロ波エネルギーの化学分野への応用(杉山順一)
 ギガヘルツ帯の電磁波であるマイクロ波は加温、解凍、乾燥などの分野で既に実用化されていますが、化学分野へ応用すれば反応の迅速化や選択性向上に大きく貢献するものと期待されます。そのためには、物質の温まりやすさや消費する電力などを評価することが不可欠です。本研究では、このようなマイクロ波特性を、様々な物質に関して実際の加熱温度において測定する装置を開発しました。また電磁界シミュレーションや2.45GHz照射機、5.8GHz照射機を用いることにより、電磁気学と化学とを融合した総合的な「マイクロ波化学」の構築をめざしています。 画像:K10
16:55 [K11] 赤外線撮像素子を用いた暗視カラー動画撮影技術:病室観察システムへの応用(永宗 靖)
 新規な高感度赤外線撮像技術および高速画像処理技術を用いることにより、暗闇の中でも被写体のカラー動画が撮影可能な技術を開発しました。 本技術を用いれば、室内照明なしで病室の状況がモニターできるため、睡眠を妨げることなく患者や高齢者を見守ることができます。更に、高画質カラーであるため、従来の暗視撮影技術では不可能であった、患者の顔色等の詳細な観察も可能となります。 画像:K11
17:15
18:30
ポスター発表 兼 懇親会

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