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環境化学技術研究部門
研究課題
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環境化学技術研究部門 精密有機反応制御グループ

環境化学技術研究部門環境・エネルギー分野紹介

研究テーマ紹介

○研究課題

持続可能型高選択酸化プロセスの開発

研究の背景
 酸化反応を含むプロセスは全化学プロセスの 30% に達すると言われ、高分子合成と並んで工業的に最重要ですが、環境を汚染しやすいプロセスでもあります。特に精密化学品や医薬品の製造過程では、様々な官能基をもつ化合物の選択酸化が求められるため、ハロゲンや重金属を用いる方法など、いまだに環境に大きな負荷をかける酸化法が使用されています。  )

研究内容
 過酸化水素は反応後に水以外の副生成物を生じないクリーンな酸化剤ですが、それ自身の酸化力は弱く、石油化学由来の様々な化合物を酸化するためには何らかの活性化が必要です。当グループでは、過酸化水素水の酸化力を飛躍的に向上させるいくつかの新しい触媒を発見しました。中には一つの触媒分子が十万回以上働くものもあり、その結果、目的物が 100% 近い収率および選択率で得られ、有機溶媒を全く必要とせず、水以外の副生成物が出ないクリーンな酸化反応を開発することができました。  

    
目標
技術の実用化を図りつつ、さらに高度な選択酸化反応の開発を行い、近い将来、現行の様々な酸化プロセスを過酸化水素によるクリーンな酸化技術で置き換えることを目指しています。


触媒手法を用いる有機リン化合物の新規合成法

研究の背景
有機リン(P)化合物

   幅広い用途 ↓

(1)農薬・医薬等の生理活性物質
(2)難熱剤・核廃棄物処理剤・機能性材料
(3)合成試剤

   その合成は?

(1)古典的な方法に依存
(2)効率性など問題多い

            ↓
新高効率触媒的合成法が求められている
     しかし   ↓
金属触媒を用いた有機リン化合物の合成法は
あまり知られていない

     どうして?
1)多くのP化合物は遷移金属錯体の配位子
(2)「触媒毒」と思われるものが多い
(3)触媒的合成に向かないのでは?

研究のアプローチ

含リン元素結合はどこまで活性化されるのか?
    錯体反応の     ↓
    詳細な検討
新規高効率触媒的合成反応の開発
得られた成果

(1)リン元素化合物[P(O)−H(S, Se)]が容易に活性化されることを明らかにした

(2)パラジウム触媒によるヒドロホスホリル化など
 多くの
新規かつ実用的な触媒反応の開発に成功した
「実用可能」な合成反応を目指した改良

ビニルホスホナート化合物のグリーンな合成法

1) 触媒:0.05〜0.1mol%[Pd(OAc)2/Ph2P(CH2)3PPh2等]
2) 等モル量の反応基質(アルキン類とH−ホスホナート類)
3) 溶媒を使わない
4) 反応温度:100℃
5) 減圧蒸留により付加物を単離(収率>95%、選択率>97%)



ビニルホスホナート化合物のグリーンな合成法

人や環境にやさしいファインケミカルズの合成

背  景
ハロゲン類のうち塩素ガスは非常に反応性の高い物質で,工業的には化学物質を合成する際に頻繁に用いられている反応剤です。しかし,毒性も高く,ガス漏れなどの危険性が常に伴っています。したがって,人や環境に優しいグリーン・サスティナブルケミストリーの考え方からも,より安全な反応剤の使用が求められています。
目  的
ファインケミカルズ製造において,医薬品などの原料となる複素環化合物を製造する際にも,塩素ガスなどの危険な薬品がしばしば用いられています。そこで,従来の方法に代わり,安全に合成された化合物を出発原料として使って複素環化合物などの合成反応を行い,ファインケミカルズの原料となる物質の新規合成方法の開発や,新規出発原料となる物質の開発を行います。
研究成果
抗菌・抗バクテリア作用を有するなど,有用な複素環化合物である1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン類は,主として出発原料であるチオサリチル酸に塩素ガスを反応させて合成されてきた化合物です。この1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン類を,塩素ガスを使わずに合成する方法を開発しました。すなわち,チオサリチル酸エステル類を出発原料として,アミノ化剤を反応させることにより得られるスルフェンアミド類を用いて環化反応を行い,簡便にしかも高収率で目的とする1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン類を合成することができました。
1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン類
有用な複素環化合物1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン類
サッカリン(甘味料)の合成
抗菌・抗バクテリア
活性抗精神病薬の出発原料

塩素ガスを用いない1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン類の合成
波及効果
1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン類が実験室レベルでも安全に,しかも簡便に合成できるようになったため,この方法を用いて,新規反応・新規誘導体開発の研究が進展することが期待されます。






連絡先

〒305-8565 茨城県つくば市東1-1-1
産業技術総合研究所 つくば中央第5
環境化学技術研究部門 精密有機反応制御グループ
電話: 029-861-4852
FAX: 029-861-4852
Eメール:k.sato@aist.go.jp
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