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研究テーマ紹介
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○研究課題
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(1)空気分離および水素分離膜
高分離性能でかつ過酷な条件下でも使用可能な空気分離用ならびに水素分離用膜の開発を目指して、炭素の前駆体となる高分子や炭化ケイ素系セラミックスの前駆体となる有機ケイ素系高分子の分子設計とその調製、熱分解によって得た無機多孔素材の微細構造やガス分離性能などの評価を行っています。また、更なる高効率ガス分離を目指した、金属ナノ微粒子分散多孔膜(図1)の調製や、実用型の高効率ガス分離を目指した、中空糸型無機膜(図2)の調製条件の探索等も行っています。
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| 図1 金属ナノ微粒子分散炭素膜の微細構造 |
図2 中空糸型炭素膜の非対称構造 |
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(2)高純度水素製造のためのアモルファス合金膜の開発
パラジウムからなる金属膜は水素のみを選択的に透過させる究極の原子ふるいとして知られています。しかし、パラジウムは大変高価で資源量も限られており、これが普及の妨げになっています。我々はパラジウムに代わる安価な水素分離膜の探索を進め、ジルコニウムとニッケルを含むアモルファス合金膜が200℃以上の温度において実用レベルの水素透過能(数mL/cm2
min)を発揮することを見出しました。現在は透過能に優れた合金の開発や、水素製造装置への応用を視野に入れた実用化研究を進めています。
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| アモルファス金属膜による水素分離メカニズムと特長 |
単ロール液体急冷法で作製したアモルファス合金膜
(三菱マテリアル(株)提供) |
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(3)CVDを利用した高効率水素透過膜の作製
水素の製造プロセスの簡略化および省エネルギー化を目指し、高価ではあるが、水素透過性能の高いパラジウムを薄膜として利用する手法を開発しています。本研究では、パラジウムと熱膨張係数が同程度である金属多孔質体を基板として用い、その表面にCVD-Pdをコーティングする方法の開発を行っています。さらに低価格である非貴金属(V, Ti, Zr等)をCVDにより緻密で高速に製膜する技術の確立を目指し、原料の選択と合成条件の探索を行っています。
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| 焼結金属基盤 |
CVD-Pd被覆 |
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(4)オレフィン分離膜
オレフィン/パラフィンガス分離用膜としてカチオンアイオノマーの可能性を検討しています。エチレンやプロピレンガスの透過測定や、収着測定から促進輸送機構の解明を図り、分離膜への応用を目指しています。銀イオン交換パーフルオロスルホン酸アイオノマー膜は乾燥状態においてもオレフィンガスと特異的相互作用による促進輸送効果を有し、オレフィン/パラフィンガス分離性への銀イオンの効果は顕著であることが分かりました。銀イオン交換膜のオレフィンガスの透過係数やオレフィン/パラフィン混合ガス系での各ガスの透過係数の圧力依存性は、圧力と共に増加します。これは大きな溶解量のオレフィンガス(パラフィン、無機ガスより2桁大)による膜の可塑化(ガスの拡散性増加)で説明できます。
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| パーフルオロスルホン酸アイオノマー膜中の各種ガスの透過係数(358K) |
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(1)温暖化ガス分離回収用の膜開発
半導体産業や電力業から排出されている温暖化係数の大きなパーフルオロカーボン(PFC)やSF6などのガスを膜分離法で回収する可能性を市販の高分子膜モジュールで試験しました。PFCガスの回収は膜法で可能であることを明らかにしましたが、高効率な回収にはさらに高性能な分離膜が必要であることが明らかになり、H14年度からPFCガス分離に特化した分離膜の開発を行っています。また、二酸化炭素分離用の膜開発およびプロセス検討も継続して行っています。
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| SF6分離・回収用プロセスのシュミレーション検討フロー図 |
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(2)フッ素系ガスを用いないでエッチングできる薄膜素材開発
半導体プロセスでは、地球温暖化ガスであるPFCガスなどが多量に使用され、使用量削減が求められています。当グループで開発したケイ素−ボラジン系高分子は、窒素・ホウ素の無機ユニットと有機ケイ素ユニットから成る、全く新しい低誘電率絶縁膜用の材料です。この材料は誘電率や屈折率が低いうえ、半導体デバイスのエッチングプロセスにおいてPFCガスを必要としません。耐熱性や機械的強度に優れる、溶媒に溶かして簡便に均一な薄膜が作れる、シリコン基板との密着性が良い、などの優れた性能も有しています。有機高分子系の絶縁膜と組み合わせると、システム全体として、地球温暖化ガスPFCを用いずにエッチングすることが可能になり、その実効的誘電率は、国際半導体技術ロードマップ
(ITRS 2006)の線幅57nmに対する規格目標を満たします。さらにケイ素を含まないボラジン系ポリマー材料も開発しており、各種の用途に向けた応用についても検討を進めたいと考えています。
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1〜8: ポリイミド
9: ポリベンゾイミダゾール
10: フッ素化ポリイミドベンゾオキサゾール
11: クロロメチレンシアネートエステル
12: PEEK
13: フッ素化ポリエーテルケトン
14: 全芳香族ポリエーテル
15: ポリエーテルスルホン
16: ポリ-p-キシリレン
17: ポリテトラフロロ-p-キシリレン
18: パレリンP
19: 非極性ポリオレフィン
20: ポリナフタレン
21: ポリインダン
22: ポリキノリン
23: ポリフェニルキノキサリン
24: テフロンAP
25: ポリシロキサン−ボラジン(産総研)
26: ポリカルボシラン−ボラジン(産総研) |
| 低誘電率ポリマーの熱安定性 |
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| 電子顕微鏡(SEM)による断面形状写真 |
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多孔材料や膜分離法を用いる、VOC(揮発性有機化合物)やPFCガスを濃縮・回収するガス分離プロセス、ケミカルヒートポンプ、熱・物質同時利用型反応サイクル等を設計・評価し、物質や熱エネルギーの高度利用法を検討しています。たとえば分子ふるい炭素膜のようなVOC排除型膜とシリコン膜のようなVOC透過型をシリーズにつないだ膜プロセス(下図)やシリカライト等へのアルコール吸着を利用した冷熱発生のためのケミカルヒートポンプの検討を行っています。
また、「環境調和型化学プロセス」を設計するためには、省資源の程度を表す原料必要量、環境負荷の増加の程度を表すエントロピー生成量が最も重要な指標であるとの認識から、それらの指標とその化学プロセスに採用された化学反応システムの構造(複数の化学反応の組み合わせの形式)との関係を解析し、環境調和型化学プロセスに相応しい化学反応システムの構造を明らかにするとともに、そのような構造を持つ化学反応システムを合成する研究を行っています。
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| 排除型膜と透過型膜を用いたVOC高回収膜プロセス |
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連絡先
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〒305-8565 茨城県つくば市東1-1-1
産業技術総合研究所 つくば中央第5
環境化学技術研究部門 膜分離プロセスグループ
電話: 029-861-4732
FAX: 029-861-4733
Eメール:k.haraya に続けて @aist.go.jp |
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