深部流体研究グループ
Research Core for Deep Geological Environment / AIST
地下深部からの地下水やガスの上昇,流体の起源や挙動などに関する調査・研究および水質(pH,酸化還元電位,主要・微量成分濃度)・同位体組成などの水の化学指標に基づき,地下水の流動・循環システムの解明に関する調査・研究を担当しています.
- 広域地下水流動系の研究
関東平野と阿蘇山地域において,地下水・湧水の採取を実施し,水質ならびに各種同位体組成の測定を行いました.その結果,埼玉県中・南部を中心とする関東平野中央部には,塩化物イオ濃度が高い地下水(100-200m/l)が帯状に分布すること,また阿蘇山地域では,深部起源CO2の湧水への混入の有無が明らかとなりました.今後,これらの原因の解明を通じて,地域の広域地下水流動系モデルの構築を試みる予定です. - 熱水活動の研究
深部流体の検出手法を開発し,その起源および水質形成機構を明らかにするとともに,ヘリウムおよび炭素同位体を用いた地下水の年代・滞留時間を推定する手法を提示しました.また,流体包有物を用い深部流体の特徴についても調査しました. - 深部上昇流体の分布・起源に関する研究
ヘリウムおよび炭素同位体を用いた深部上昇流体検出手法の開発を行います.また,近畿地方において,深部上昇流体の産状,化学・同位体的特徴に関する詳細調査を行います.流体包有物を用い深部流体の特徴についても調査します.…もっと詳しく - 温泉の水質特性と起源に関する研究
深部地下水系への深部上昇水などの混入の実態,流量な情報を収集し,地層処分地の適性評価のための基準作成に資します. - 地下水循環システムの分布とその要因に関する研究
福島県中央部の阿武隈花崗岩地帯において,無降雨時の河川水を対象とした高密度の水文調査を行い,地域の地下水流動系と地質構造の関係について明らかにします.…もっと詳しく - 地下水の水質形成に果たす地質と人間活動の影響の研究
関東地方において広域テフラの対比に基づく詳細な層序区分を行うとともに,降雨浸透水と浅層地下水の水質形成に果たすローム層の役割について考察を進めました.また,関東・甲信越地方の湧水・浅層地下水の一般水質・微量成分濃度及び安定同位体組成を決定する要因を抽出するための地球化学的検討を行いました.これらの結果に基づき,地下水の水質形成に果たす地質と人間活動の影響についてそれぞれ定量化を進めました. - 地下水の保全に関する水質指標とマッピングの研究
日本各地において,天水(降水・河川水・湖水・湧水・地下水)の性状の現状把握,ならびに地下水の涵養・流動プロセス(涵養源・涵養地域・主涵養期・滞留時間等)の解明に関する水文学的研究を実施しました.対象とした地域は,神戸市とその周辺,中国地方東部(岡山県・鳥取県),羊蹄山,鳥海山であり,いずれも汚染や地下水資源枯渇の観点から地下水保全が急務となっている地域です.当該地域における水質や各種同位体に基づく調査結果は,水文環境図としての公開を念頭において解析作業を進めており,平成16年度にはこれらのうち,まず神戸市とその周辺地域の成果を出版する予定にしています.…もっと詳しく - 深部流体の研究
三宅島等において,気象庁,東京工業大学,東京大学等と共同でCOSPECを用いたSO2放出量観測を行いました.観測結果は随時,火山噴火予知連絡会に報告した.COSPECの後継機種であるminiDOASシステムの開発を行いました.2000ppmm以下の低濃度では,COSPECシステムと同様の結果を示しましたが,高濃度域では値の信頼性に難があり,現在,その原因を究明中です.富士山麓において発見された噴気の緊急調査を実施し,火山噴火予知連絡会に報告しました.伊豆大島において,山頂噴気及び周辺の地質調査を行いました.
名古屋大学へ研究を委託し,地下水及びガス試料のC-14濃度の測定を行いました.マルチアイソトープ指標を用いた地下水の起源及び滞留時間解析のために必要な,専用のボアホール用採水器の設計及び製作を行い,阿武隈において試料を収集しました.水質形成機構解明のため,USGSのPHREEQCを導入し,分析結果に適用した.各種分析機器類のメンテナンスを実施し,不具合箇所を修理しました.
- 水文プロセスの解明に関する研究
地下水汚染が深刻となっている地域を対象に,人間活動に伴う浅層地下水の水質汚染のプロセス解明に関する事例研究を実施し,その結果,水質汚染に係わる要因が地下水汚染に果たす役割を評価します.…もっと詳しく