地下環境機能研究グループ
Research Core for Deep Geological Environment / AIST
地下環境を理解するために必要な情報を野外,実験室それぞれから得て,地下環境の将来予測に役立つモデルを構築するための一連の技術ならびに,情報技術による情報発信に関する調査・研究を担当しています.
- 3次元地質モデルの研究
3次元地質モデル作成手法を整備するため,花崗岩地域(阿武隈高地)の調査では,ボーリング孔を利用した地震波探査による分布解析を実施するとともに,平成13年から実施してきた阿武隈花崗岩地域の調査の最終取りまとめを行いました.堆積岩地域(新潟県東部)の調査では,新たに8カ所のボーリング孔を掘削し,地質構造データの採取,孔内での各種現場透水試験,多孔システムによる地下水の流向・流速試験を実施し,堆積岩における地下水循環構造モデルの作成手法を検討しました. - 地質総括の研究
地下浅部での地層物質の鉱物学的・熱力学的特性変化の解明に資するため地表から地下浅部における地層物質の風化・変質・続成作用を対象に,化学組成・鉱物組成・物理特性及び熱力学的諸特性の変化を検討します.平成15年度は,新潟・山形県下の地表岩石試料・土壌試料・ボーリングコア試料を対象に基礎データを得ました. - 岩盤内の移流拡散特性の評価技術に関する研究
各種室内透水試験・拡散試験法に対して,感度解析に基づき試験理論及び解析方法の検証と,対象となる試験体に応じた最適な試験設計,精度限界の定量化を行い,試験法に関する知見を取りまとめました.岩石の透水性と他の物理特性(弾性波速度等)との関連性を実験的に評価できる試験システムの構築を行い,また,新たな拡散試験技術の開発を進め,最適設計を行い実験的にもその適用性を実証しました.さらに,国際共同研究では原位置試験計画に参加し,室内試験用岩石サンプルを採取して拡散試験用の試験容器の設計,試験体の準備を完了しました. - 遅延または促進に関わる微生物・有機物・コロイドの研究
硝酸還元をする微生物の培養手法の確立に成功しました.放射性核種や鉄鉱物の酸化溶解を分析する化学的手法も同時に確立し,アセチレン阻害法による硝酸還元速度測定の手法も確立しました.また,第三紀堆積岩から無菌無酸素掘削で採集したコアを,室内実験に用いるため微生物活性を維持した状態で保存し,微生物の硝酸還元活性の実験準備を整えました. - 局所的岩盤特性の隔離性能変化に関する研究
核種移行に大きく影響する岩盤特性とその変化の要因について明らかにするために,原位置における応力変化量を測定する油圧を利用した新しい応力測定装置を開発し,原位置への適用化に向けて応力変化の測定を試みました.また,三軸伸張試験手法にて変形挙動を高精度に計測する手法を確立し,泥質岩を用いて変形挙動を把握しました.亀裂・空隙の3次元定量化を行いながら熱環境下に置かれたコアの透水試験から,流体移動特性の変化に関する実験的研究を実施しました. - 地質データの統合とデータベースシステムの構築の研究
5万分の1地質図幅,沿岸域音波探査データ,資源地域の試錐・物理探査データ,岩石の化学分析値のデータベース化を,平成16年度の完成に向け実施しました.また,平成16年度にWEB形式での利用を可能にするために,本年度からネットワーク統合システムの作成を開始しました.
- 公表済み地質情報の電子化と集約を行います.
- 各研究チームの調査・研究成果の蓄積・統合により,「情報基盤」としてデータベースの集合体の形で管理します.
- この情報基盤を利用した各種統合解析技術を開発します.
- 当研究センター内での情報共有と,広く一般への情報サービスの両面から, 調査・研究成果の効果的な利用を促進するための情報技術を開発し,情報基盤の提供と公開を担当します.
