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東京都江東区青海2丁目4番7号
独立行政法人 産業技術総合研究所
バイオメディシナル情報研究センター

2011年より代表番号が変わりました
電話:03-3599-8100
FAX:03-5530-2064
mail:birc_webmaster@m.aist.go.jp
















2011.05 バイオメディシナル情報研究センター





 ポストゲノム時代の創薬・医療領域の研究開発では、生命現象の理解に基づく革新的基盤技術の開発および大量のデータの統合的利用技術が必要となる。 そこで本研究センターでは、われわれが構築した世界屈指の研究リソースやデータベースを発展させるとともに、これらを活用した本格研究を展開し、産業界への橋渡し研究を加速する。 同時にイノベーションハブ機能を強化し、生命現象解明に基づく次世代創薬産業創生につながる研究開発を推進することにより、新規研究領域の開拓および提案を目指す。 またこうした研究開発を通じて、創薬基盤技術に貢献しうる優秀な人材を養成する。 これら3本の柱を有機的に連携させつつ意欲的に遂行することにより、創薬開発プロセスの効率化・高度化を図るとともに、生命科学における新パラダイム創出を目指すことを本研究センターのミッションとする。




 本研究センターでは、4つの主要研究項目を設定し、これらを効率的に推進するために以下の研究チームを編成する。 一方研究センター執行部は研究チーム間の連携研究の活性化を図る。 また、現存のプロジェクト以外の外部資金および運営費交付金に基づく萌芽的研究を実施する。 さらに、研究センター内にワーキンググループを設置し、次世代創薬・医療産業創生につながる領域研究の提案機能を持たせる。


(1)細胞システム制御解析チーム

 細胞システム制御解析チームは、世界最高感度・精度を誇る質量分析技術、プロテオームワイドなタンパク質発現技術、及び世界最大規模の天然物ライブラリ等の、 日本独自の強みを活かし、創薬基盤を強力に底上げする研究開発を行う。 そのために先ず、質量分析システムをさらに高感度化させるため、ロボット・ナノテク・半導体技術を融合最適化し、わずかな細胞からタンパク質のネットワークと定量解析を可能とする技術開発を行う。 さらに「超」高感度化した質量分析システムを、疾患の発症メカニズムの解明と診断、及び創薬ターゲットの探索に等に応用する。 それとともに、プロテオームワイドなタンパク質発現システムを活用し、創薬ターゲットの発見から、細胞初期化技術、分化制御技術、医薬品候補を効率的に選定する統一的で汎用なスクリーニング系を構築する基盤技術の開発を行うとともに、 それらの基盤技術を活用した研究を展開する。 また、微生物の生合成遺伝子を用い、多様で生理活性に富む天然物化合物を生産する技術開発等を行い、医薬品候補化合物のソースである天然物の高度化とさらなる大規模化を目指す。
 これらの研究開発は、国内の一企業が単独では行えない研究リソースとインフラがあって初めて可能なものであり、産業界が広く利用可能な産学の共同研究施設として整備し、幅広く産業界に貢献する事を目指す。 本項目は、第3期中期計画の1-(2)-@、1-(2)-A、1-(3)-@および1-(3)-Bに対応する。


(2)タンパク質構造情報解析チーム

 ポストゲノムシーケンス研究の産業利用が期待される「ゲノム創薬」の加速を支援するため、我が国の強みであり、かつタンパク質構造情報解析チームの強みでもある 世界最高レベルの極低温電子顕微鏡を用いた膜タンパク質構造解析技術、核磁気共鳴法によるタンパク質間相互作用解析技術、創薬ターゲットタンパク質の結晶構造解析技術、 および高度な計算科学技術等を最大限活用し、膜タンパク質等およびそのリガンドとの複合体や、病原体タンパク質の構造生物学的研究に基づいた創薬候補ヒット化合物の効率的な探索と実用性の高いリード化合物への展開などの 創薬基盤技術を開発し、創薬等の研究開発を加速する。 同時に開発する装置やツール等の早期の実用化を目指した研究開発も進める。
 この研究開発はバイオテクノロジーの産業化において有用な知見を蓄積し、バイオ産業の情報基盤の強化につながる。 また、個別化医療や構造情報を基にした新しい観点からの画期的新薬の創出が期待できるとともに、健康維持・増進などをふくめた幅広い分野への展開も期待でき、 我が国バイオ産業の競争力強化・新産業の創出を図り、国際的優位性を確保することになる。 本項目は、第3期中期計画の1-(2)-Bおよび1-(3)-@に対応する。


 (3)機能性RNA工学チーム

 機能性RNA工学チームは、ゲノムから産生される膨大な機能未知のノンコーディングRNAの中から重要な役割を果たしている機能性RNAを取得して、その機能を解明し、 さらにRNAの新機能を利用した創薬開発に結びつけることを目標としている。 そのため、H-Invデータベース情報やバイオインフォマティクスによる独自のRNA予測情報、さらには発現解析、細胞内局在解析などのデータを基に重要な機能性RNAを発見し、 それらの生理機能と作用機構を解明する。 特に機能性RNAとタンパク質の相互作用情報の収集や機能性RNAの機能阻害技術の開発などを通して、癌などの難治性疾患に関わる機能性RNAの作用機序を解明する。 これによって21世紀に入って現れた機能性RNAを標的とした新しい医薬品開発基盤を確立する。 本項目は、第3期中期計画の1-(3)-@に対応する。


(4)分子システム情報統合チーム

 分子システム情報統合チームは、オミックス研究として複雑で大量かつ枚挙的に産生される生物情報の統合データベース化に取り組み、 それに基づいた生物機能の解明や生命のシステム的理解をめざした基礎研究と、成果の産業化への橋渡しを加速する情報プラットフォームを構築する。 統合データベースは、バイオ産業分野からのニーズを考慮しつつ、産総研等で実施されている生命科学分野の研究成果を含めた有用な生物分子情報を集積し、 高精度なアノテーションと比較解析を施すことを通じて構築を進める。 特に、ゲノム、トランスクリプトーム、プロテオーム等の網羅的な分子情報は、公開データベースH-InvDBを通じて産総研から社会への発信を行う。 また、情報プラットフォームについては、新規知識発見を支援するためのデータマイニング・システムを統合データベースと組み合わせることにより、 世界の主要な生命科学分野のデータベースの統合的活用を実現する先進的なシステムを開発する。以上を通じて、基礎研究と応用研究に寄与することを目標とする。 本項目は、第3期中期計画の1-(3)-Bに対応する。




 本研究センターは(社)バイオ産業情報化コンソーシアム(JBiC)という民間団体や技術研究組合と密接な共同研究体制をとると共に、 アカデミアとも強固に連携する産学官の力を結集した組織である。 またポストゲノムシーケンス研究の中核をなす、構造ゲノム解析、機能ゲノム解析、機能性RNA解析および統合データベース解析という重要課題を実施している。 このように、多方面かつ異分野の研究者が連携して、「タンパク質および機能性核酸の機能解析とその制御」を実施するというユニークな体制をとっているので、 その特徴を十分に生かした運営を行う。
 本研究センターは研究センター長以下、副センター長、チーム長及びチーム員との連携強化を図り、また、JBiCや技術研究組合から多数の研究員等を受け入れることにより研究の一層の活性化を図る。 さらに各研究分野におけるトップクラスの業績を有する大学教授を招聘研究員および研究顧問として招き、若手研究リーダーの育成も行う。 ウェット系とドライ系の共同研究や、複数の世界最先端の研究リソースを組み合わせた研究チーム間の連携研究、生命情報工学研究センターや幹細胞研究センターなどの 産総研内の他ユニットおよび国内外の研究機関との共同研究も積極的に推進し、若手からベテランという縦方向、および研究チーム間や産総研内外の研究機関との横方向の連携をはかることで、 最大限のパフォーマンスを発揮できる運営を行う。
 東日本大震災とそれに伴う電力供給の逼迫に対応して、研究アクテビティへの影響を最小限に抑えつつ最大限の節電に努める。 具体的には、従来から厳しく行ってきた照明や空調の抑制に加えて、旧型サーバーの更新や他地域センターへの移設、機器の運転条件の最適化、 保存リソースの見直しによる冷凍庫の削減、プロジェクト内容の変化に応じたスペース返納等を実施するとともに、共通施設の見直しも検討し、生産性の高い電力使用を心掛ける。 スペース返納や共通施設の見直しは、研究体制の再構築にも資することになる。




 世界的に厳しい競争が展開しているポストゲノムシーケンス研究においては、研究成果の迅速な発信と普及は、個人の研究のみならず国内の中核的なセンターとしての国際的な基盤を確立するために不可欠である。 とりわけバイオテクノロジー分野は基礎研究が実用化に直結する場合が多いので、優れた論文を著名な学術雑誌に発表する。 また同時に、生体高分子解析技術、蛋白質機能解析・制御技術等の開発の成果を汎用性の高い戦略的な工業所有権として確保し、 民間との共同研究体制の利点を生かした実用化に向けての成果の普及に努める。
 また、膨大なゲノム情報は多数のデータベースとして世界各地に分散しており、本研究センターで得られる生物情報を含めた統合化と解析機能の高度化、 利用し易いシステムの構築と環境の整備は、世界へ向けての成果の発信・普及を図るためにも重要である。




 ポスト・ゲノムシークエンス時代の厳しい国際競争の中で優れた研究成果をあげ、国内のみならず国際的な貢献を果たすためには、 研究成果の適切な評価とそれを踏まえた研究計画、センターの運営計画の策定は不可欠である。本格研究の遂行という観点から、 研究者個人に対しては研究センターの担うミッション、参加する重点研究課題に対する貢献度を軸に評価を行い、 研究課題の達成度、研究のパフォーマンス、若手人材の育成を軸にチームの評価を行って研究資源の配分等に反映させる。 また、研究課題の遂行過程で得られた知見等に基づく研究の新展開や研究萌芽に関しても、適切な評価を行い、 新たな研究分野を切り開く可能性のあるものに対しては積極的に育成・推進していく。


(1)研究・業務業績
 研究チームレベルでの成果のみならず個人レベルでの研究業績が研究センターの成果に直接的に反映されることから、個人に対する研究評価は重要であり、研究センターへの貢献度等を考慮して行う。

(2)産総研への貢献
 優れた研究成果をあげることが産総研に対する最大の貢献であり、また関連する他ユニットとの連携・協力関係の推進が、より大きな産総研全体への貢献となると考える。

(3)外部への貢献
 本研究センターは上述したように、JBiCをはじめとする産学官と密接な共同研究体制をとっており、企業等との共同研究によってスムーズな技術移転や産業貢献が可能である。 また、基礎的な研究における優れた成果の発信や、生物情報データベースの世界へ向けた公開は大きな国際貢献となる。




 研究にまつわる事故は、研究者の身体生命に危害を加えるだけではなく、本センターの研究活動にも重大な影響を及ぼす恐れがあるため、安全重視を徹底する。 具体的には、安全ガイドライン・細則の遵守、および日常的なチェック活動による実験災害・事故のリスクの排除等を中心に、積極的にリスク管理を進める。 またライフサイエンス研究ユニットにとって重要である、組換えDNA実験、放射性同位元素(RI)取り扱い、微生物実験(バイオセーフティ)等に関しては厳しく規則遵守を実施する。




 コンプライアンス問題は、産総研の社会的評価を棄損するだけではなく、本センターの研究活動にも重大な影響を及ぼす恐れがあるため、コンプライアンスの徹底を図る。 具体的には、ラボノートの使用など、研究者行動規範や規定の周知による研究倫理、特に研究のミスコンダクトの防止をはかる。 また不適切な会計処理を行わないよう、引きつづき周知徹底を行う。 情報セキュリティについても、体制を構築し、ひきつづき適切な管理に努める。




 本センターには、JBiC研究員、技術研究組合研究員、産総研特別研究員として多くの若手研究者が在籍し、プロジェクト研究に従事している。 そこでこうした若手研究者がプロジェクト成果に貢献するだけではなく、創薬基盤技術に貢献しうる優秀な人材となるよう留意する。 センターの活性化のため、博士号保持者には、研究者として自立できるような指導を行い、機会があれば大学および他の研究機関への転出など、人材面での交流を行う。









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