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海溝型地震履歴研究チーム Subduction Zone Paleoearthquake Research Team


■主な研究内容

津波堆積物調査の様子.
海溝型地震は,隣り合う震源がまれに連動して巨大化することが近年わかってきました.このようなタイプの地震を予測するには,過去の地震履歴を数千年オーダーで解明する必要があります.当チームでは,沿岸の地形や地層に記録された過去の海溝型地震に伴う地殻変動や津波の痕跡を調査し,長期間での発生間隔や津波規模の違いを明らかにします.そしてその特徴を地球物理学的に解釈し,モデル化することで,被害予測に貢献する成果を社会に提供いたします.

a:ハンディジオスライサーを用いた津波堆積物調査の様子と得られたコアで観察される869年貞観津波堆積物.

b:津波シミュレーションによる貞観津波の最大水位モデル

c:南海トラフ沿いの連動型と非連動型の地震に伴う隆起を記録した紀伊半島南部の化石ヤッコカンザシ(隆起海食洞内に分布する様子と採取した試料の断面,年代).

■研究成果
プレスリリース


研究チーム長:宍倉正展 Masanobu Shishikura  HP

地形,地質,史料などの証拠に基づいた古地震の研究をしています.特に離水海岸地形や生物化石の年代,高度から過去の海溝型巨大地震の発生時期や地殻変動を解明することを専門としており,津波堆積物の調査も行っております.得られた地殻変動や津波浸水域のデータから地球物理学の専門家とともに震源のモデル化を目指しています.調査フィールドは日本列島周辺(千島海溝,日本海溝,相模トラフ,南海トラフ,日本海東縁)だけでなく,1960年チリ地震や2004年スマトラ沖地震の震源および周辺域にも出かけております.また最近は海洋調査船で海域における地震性タービダイトの調査も行っており,海陸を網羅した総合的な海溝型地震の評価を試みております.


■チームメンバー紹介

藤原 治(兼務) Osamu Fujiwara

過去に発生した地震・津波の履歴を地層の証拠を使って復元する研究を,主に相模トラフ周辺を対象に行って来ました.今後は,南海トラフや海外にも研究フィールド広げ,地震や津波に関連して形成された「地震イベント堆積物」を主な手がかりとして,海溝型地震の発生履歴や規模などの解明を目指します.過去の詳しい履歴を基礎に,津波シミュレーションなどの地球物理学や地震工学分野とも連携して,地震・津波の将来予測と減災に向けた研究をしていきます.


澤井祐紀 Yuki Sawai  HP

化石分析に基づいて海水準変動を復元し,そこから海溝型地震の古地震像・履歴を読み取ろうとしています.これまでは北海道東部の沿岸を主なフィールドとし,千島海溝南部における過去の巨大連動型地震について詳しく調べてきました.最近は,千島海溝での経験を生かし,仙台平野における古地震痕跡について研究しています.また,比較研究として北米海岸(シアトル近郊のPuget Soundやオレゴン州),チリ沈み込み帯でも継続的に調査を行っています.このほか,2004年スマトラ沖地震の後には,タイ南部において津波堆積物の調査を行いました.今後もチームメンバーや海外研究者との連携により,地形・地質学,地球物理学をあわせた分野横断的な視点で,千島・日本海溝や海外の沈み込み帯における古地震像・履歴を明らかにしていきたいと考えています.


行谷佑一 Yuichi Namegaya

史料に残された記述を解釈し現地調査を行うことで,歴史時代に発生した地震による津波の高さ,浸水域,地殻変動量,および被害の状況を明らかにする研究を行っております.その上で,津波浸水シミュレーションなどを用いて対象とする地震のモデリングを行い,地震の発生履歴解明に寄与できるよう努力しております.これまでに,869年貞観地震や1703年元禄関東地震などを対象としてきました.このほか近年に発生した2007年能登半島地震や2007年新潟県中越沖地震などについても,主に観測津波波形からモデリングを行っております.今後は日本海溝や南海トラフにおける海溝型地震津波を対象とし,地形学や地質学などの分野と連携して,より詳細な海溝型地震の履歴を明らかにしたいと考えています.


谷川晃一朗 (特別研究員) Takumi Hayashida


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